この講座は数千円代という最小限度の費用で、ビジネス英語の盤石な基礎力と、英語学習全般にとって決定的に重要となる、文法力の基礎を獲得するためのものです。
多くの方がビジネス英語の力をつけたい、社会人として英語力全般を磨きたいと思いながらも、何をどこから始めればいいのかという疑問や、高額の費用が必要なのではないかという不安を抱えていることと思います。そういった方々にとって、最高の救いになることを目指して開講しました。
本講座はTOEIC対策に特化したものではありませんが、TOIECの勉強を本格的に始めたいと思っている方が理想的なスタートを切るための講座でもあります。TOEIC関連の書籍や講座に取り組む前に、ぜひ、まずはこの講座を仕上げてください。本講座は当HPで併設されている『英文解釈教室』の解説講座に比べて、格段に取り組みやすいレベルのものであり、はるかに短期間で終えることできます。「自分の英語力に大きな自信があるわけではないが、それでも簡単な英会話だけでは満足したくない。きちんとしたビジネス関連の英文を読めるようになりたいし、ビジネスに関する話を英語できるようになりたい」といった方々は、ぜひ迷わずにこの講座からスタートしてください。「ビジネス英語」「社会人英語」の、最高のスタートが切れるはずです。
この講座では次の2冊を用います。
① 『本気で鍛える英語 ビジネスマンに必須の英語表現と語彙を一気に習得する』(臼井俊雄、ベレ出版) ※CD2枚付
② 『MP3 CD-ROM付き 一生モノの英文法COMPLETE』(澤井康佑、ベレ出版)
それぞれを略して「本気で鍛える英語」「COMPLETE」と呼びます。
「本気で鍛える英語」は、次の3つのパートから成り立ちます。
Ⅰ. 基本例文1,000
Ⅱ. 関連語彙3,000
Ⅲ. 語根・接辞315(例示単語数1,200)
このうち、「Ⅰ」の最初の700文が、特に「ビジネス英語」と呼べるものであり、これについて
(1) 読んで文法構造がわかり、正確に意味がつかめて、和訳できるようにする。
(2) 何も見ずに、添付のCDを聴いても理解できる。
(3) そのうえで、できれば英文を暗記し、使いこなせるようにする。
という3つを達成することこそが、この講座の最大の目標です。なお「Ⅱ」と「Ⅲ」の利用法については後に述べます。
いわゆる「ビジネス英語」「ビジネスの英文」では、中学、高校では扱わない語彙や表現が大量に用いられます。そのような英語の世界にスムーズに入っていくためには、教材が次の2つの条件を満たしたものであることが望まれます。
(a) 英文が長すぎないこと
(b) 語彙の注が付いていること
それぞれについて説明します。まず(a)ですが、「ビジネス英語」は、内容面において、中学、高校までで学ぶ英語とは、かなり趣が異なります。新しい世界への入り口は少しでも無難なものであるべきですが、これまでに接したことがない内容がたくさん含まれている長い文をいきなり扱うと、学習者は混乱し、挫折してしまう可能性が高まります。
すると、ビジネス英語の世界にスムーズに入っていくためには、まずは、「契約条件に関すること」「人事に関すること」「投資に関することなど」など、トピックごとに分けられた短文を、確実に理解するのが理想です。1文ごとに内容が限られている、長すぎない文であれば、文を理解するのに極端な困難は生じません。そして「本気で鍛える英語」の最初の700文は、まさに「ビジネス英語の、ジャンル別短文集」なのです。
この本にはさらに、各例文の音声が収録されたCDが添付されているので、理解した文を「音で聴いても理解できる」という状態にまで高める練習を行うこともできます。
そのうえで、順次、英文を暗記していけば、ビジネス英語の盤石な基礎力が固まります。
(b)に話を移します。ビジネス英語には、専門的な語彙、表現が数多く含まれるのですが、初学者には、英文の中のどれが専門的な用語なのか、どこまでがひとまとまりの表現、成句なのかがわからず、戸惑うことが少なくないものです。ところが仮に語彙、表現に対する豊富な注釈があれば、上の問題が解決します。
「本気で鍛える英語」では、例文の右のページに、その例文に含まれている、ビジネス英語特有の語彙や表現を中心とした注がついています。よって、右のページを参照することにより、学習者は大いに助けられることになります。
さて、上で「1文ごとに内容が限られている、長すぎない文であれば、文を理解するのに極端な困難は生じません」と述べたのですが、これについて少し説明を加えます。また「COMPLETE」を併用教材とする理由も述べます。
英文のみならず、そもそも文を理解するためには、文の各語の意味のみならず、文法関係もわかっていなくてはなりません。仮に主語を目的語と考えてしまったら、修飾している部分を間違えて取ったら、まとまりの切れ目を誤ってとらえてしまったら、文は正確に理解できません。当然のことです。
ただ、高度な文法力がなければ、そもそも外国語の文は、短文であっても理解困難なことが多いものです。これは日本語話者が外国語を理解する場合のみならず、外国語話者が日本語を理解する場合にもあてはまることです(拙著『一生モノの英語力を身につけるたったひとつの学習法』をお持ちの方は、第8章の第2項「ネイティブスピーカーの限界」の冒頭をご覧ください。これに関する逸話を記載してあります)。
ましてやビジネスの英文は、ほぼ全ての人が中学、高校で扱っていないジャンルのものですので、いっそう読解に困難が生じます。すると、確実に理解するためには、次の2つの条件が満たされていなくてはなりません。
(a) 学習者が、英文法の盤石な基礎力を備えている。
(b) 学習者が、各文に対する文法の解説を入手できる状態にある。
「本気で鍛える英語」の「Ⅰ」の英文にも、数多くの英文法の知識が埋め込まれています。よって、この文を理解するためにもやはり、英文法の各分野に関する、しっかりとした知識が必要です。そのためには何よりもまず、英文法の基礎をマスターしなくてはなりません。
ただ、英文法の知識があるからといって、それを応用して英文が理解できるとは限りません。数学の世界では、公式を知っているからといって問題が解けるわけではありませんが、それと同じようなことだといえます。
よって、「本気で鍛える英語」の各文を正確に理解するためには、それぞれの文に対する、文法解説が必要になります。
さて、学習者が「COMPLETE」をマスターし、この講座で詳細な文法解説を行えば、上の(a)(b)の条件が満たされることになります。
「COMPLETE」には、おそらく出版界で初の「ナビゲーションCD」があり、日英バイリンガルアナウンサーである藤村由紀子氏のガイダンスに従って読み進められるようになっています。内容面でも「話の前後関係の逆転」が起こらないように注意し、また、全体が「起承転結の物語」になるように記述し、「無理なく読み通せる、読み物としての英文法書」になるようにしました。
そしてこの講座の文法解説は、「COMPLETE」に関連づけたものとします。解説の一例を示します。
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140.
・この文では助動詞areが加わっており進行形になっていますが、助動詞が加わっても文型は変わりません。このことは「COMPLETE」のp.50の下から5行目で述べてあります。
・numbは形容詞です。よって、この文の大きな流れは「名詞(My fingers) 動詞(getting)
形容詞(numb)」です。「名詞 動詞 形容詞」という連なりの文は第2文型です(「COMPLETE」のp.42参照)。実際、「COMPLETE」のp.43の上のリストにgetがあります。
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このような解説であれば、読み通した「COMPLETE」の知識を確認、復習しながら、確実にそれぞれの文を理解できるのです。
大学受験で扱う英文に関しては、多くの読解参考書があり、また、塾や予備校で、英文読解のための講座が開かれています。ところが、詳細な文法解説を伴った「ビジネス英文読解講座」が受けられる場所は、ほとんど見当たりません。日本では今後、いっそう多くの方が英語を使いながら職務を行わなければならないという現実を考えた時、ビジネス英語の盤石な基礎力を、最小限度の費用で、時間・場所を選ばすに養成することができる講座が何としても必要だと考え、この解説講座を開講しました。一人でも多くの大学生、社会人の方が、大きな希望をもってこの講座に参加してくださいますことを願っています。
上記の通り、本講座はTOEIC対策専門の講座ではありませんが、極めて多くの内容が重なります。またTOEICとはダイレクトに重ならないにしても、TOEIC受験生であるという以前に、大学生、社会人の英語学習者であれば、ぜひ読みこなすことができ、また、表現できる状態にあるほうが望ましい内容の文が数多く含まれています。
皆さんが今後、本格的にTOEIC対策の学習を始める前に、本講座でゆるぎない文法の基礎力を固め、また、TOEICとの親和性の高い数多くの英文をモノにしておくことは、その後の学習に、計り知れないアドバンテージを与えることになります。本講座は、書籍代のみで取り組むことができ、早ければ1~2ヶ月で一通りを終えることのできますので、TOEIC対策の学習の最高のスタートを切るために、ぜひ利用してみてください。
「本気で鍛える英語」の「Ⅱ」は、あえて言えば「ビジネス英単語集」です(ただ、「ビジネス」を越えた領域も多くカバーしています)。
「Ⅰ」の例文の理解を終えた後に、さらにこの英単語を和訳できる状態になれば、より多くのビジネス英語の読解、聴解(聴いてわかる)が可能になります。
この「Ⅱ」の用い方、タイミングはいろいろなパターンがありえるのですが、本講座に参加するに当たっては、何よりもまず、以下に集中してください。
「COMPLETE」の読み込み
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「本気で鍛える英語」の「Ⅰ」の最初の700文の読解演習と聴解演習
これらを終えた段階で、この700文と「Ⅱ」を、どの順序でどのように用いるかは、主に次の3パターンに分かれます。
・「Ⅱ」の英単語の和訳を隠して、訳せるようにする作業を先に行う。
・700文の暗記の作業(日本語文を見て英文が出てくるようにする)を先に行う
・これらを同時に進める。
これらは好みの問題、相性の問題もあるので、「COMPLETE」と「Ⅰ」の読解、聴解を終えた後は、各自のペースで用語の和訳と、英文暗記の作業に取り組んでください。
この講座の使用教材として「本気で鍛える英語」を選ばせて頂いた最大の理由は、既に述べたように、この書が「(a) 英文が長すぎないこと」「(b) 語彙の注が付いていること」の2つを満たしており、ビジネス英語の入門書として決定版であるという点にあるのですが、もう1つ、極めて大きな理由があります。
それは、この作品の「Ⅲ. 語根・接辞315(例示単語数1,200)」が秀逸だという点です。ビジネス英語の学習であるか否かに関わらず、すべての英語学習者は「いかに英単語を記憶するか」という課題に直面します。これについては上掲の『一生モノの英語力を身につけるたったひとつの学習法』において、どのように英単語を記憶するのが理想であるかを述べたのですが、その中で「語源」「語根・接辞」をおぼえることの重要性を説きました。
そして「本気で鍛える英語」の「Ⅲ」は、「語根、接辞リスト」であり、今後、長きにわたる英単語記憶の際の、最高のパートナーになりうるものです。つまり「本気で鍛える英語」は、単なる「ビジネス英語の本」ではなく、英語学習全般を視野に入れた作りになっているのです。
このリストはぜひ通読してください。そしてその後も、何度も何度も参照してください。このリストにある語をすべて和訳できるようになれば、語根、接辞に関する知識があるのみならず、具体例も記憶できているということになり、まさに「鬼に金棒」です。この知識はまさに「一生モノ」となります。
700文の読解を一通り終えた後、すぐにでもこの部分の読み込みに入ってもらえればと思います。
本講座の開講に当たり、「本気で鍛える英語」の著者でいらっしゃいます臼井俊雄先生より、参加者の皆様へのお言葉を頂戴いたしました。
臼井先生のお言葉にもある通り、英語に限らず、多少なりとも手応えをつかんだ実感のある科目に関しては、徹底的にマスターしたと言える書籍があるものです。ぜひ皆さんにとって、「COMPLETE」と「本気で鍛える英語」を、そのような「攻略した本」にしてください。必ずこれまでに味わったことがない大きな自信と、将来への明るい希望が見えてきますことをお約束いたします。
まずはこの2冊をご用意して、「本気で鍛える英語」のクリアーな紙面構成を見てください。「HPのサポートもあるし、これならきっと攻略できそうだ」という気持ちになるはずです。また、「COMPLETE」のナビCDを聴いてみてください。「ナビゲーターとともに読み進める」という方式に、読了への大きな希望を見いだして頂けることと思います。
なお、高校までの英語を一通り学んでいる方であれば、「COMPLETE」の読了は可能だと思われますが、「英語はとてつもなく苦手だった」「不安で仕方がない」「ABCから学びなおしたい」といった方のために、「COMPLETE」にスムーズに入っていける本として、以下を用意してあります。
『MP3 CD-ROM付き 基礎がため 一生モノの英文法BASIC』(澤井康佑、ベレ出版)
こちらは「COMPLETE」に比べて、いっそう丁寧なナビゲーションがついていますので、誰でも容易に読み切ることができます。少しでも確実なスタートを切りたいという方は、ぜひこちから出発してください。 ではスタートしましょう。