1|あいさつ①:はじめまして(テキストp.28)

1.~4.
・いずれも、SもVも存在しない文です。決まり文句には、このように「SV不在の文」が少なくありません。

5.
・この文を理解するには、先に6.の文を理解したほうがいいので、まずは6.の解説をします。
現在完了に関する重要な表現に、次のものがあります。

***********************************
It has been ~(「~」は時間を表す言葉) since ….(…以来~だけ経つ)
※has beenはisでも可。
***********************************

・6.はこの型そのままの文です。It’sはIt hasの縮約形(短縮形)です。
・5.の文は、この表現の「~」の部分がlongです。これは「長い期間」という意味です。そしてsince以下は明白なので、省略されています。省略されているのはsince we last met(私たちが最後に会って以来)です。よって5.の直訳は「(私たちが最後に会って以来)長い期間が経ちましたね」です。ここから「お久しぶりですね」という訳が出ることになります。
・5.は付加疑問文です。付加疑問文の例を他にも挙げましょう。

He is handsome, isn't he?(彼はハンサムですよね)
You live in this town, don't you?(あなたはこの町に住んでいますよね)
They can swim, can't they?(彼らは泳げますよね)

7.
・miss(~がいないのを淋しいと思う)は、状態動詞です。よって、これを用いた現在完了の文は「継続」の意味となります(「COMPLETE」のp.226の上の図参照)。だからこそ「和訳」が「寂しがっていた」という、継続のニュアンスのあるものとなっているのです。なお、この解説講座において、カギカッコ付きで「和訳」と表記した場合、これは『本気で鍛える英語』の右のページ上部に記載されている日本語訳のことを指します。
・Weとallは同格の関係にあります。「同格の関係」については「COMPLETE」のp.334で説明をしました。そして「COMPLETE」のp.335でも、このような「離れた同格関係」を扱いました(上から2つ目のワク内)。

8.
・このregardは「よろしくという挨拶」という意味だと考えてください。本文の直訳は「私の最高のよろしくという挨拶を奥さんに与えてください」です。ここから「和訳」のようになります。

9.
・このWhatは、名詞修飾語としてはたらきます。typeを修飾するのです(名詞修飾語としてはたらくwhatは「COMPLETE」のp.65~p.66で扱いました)。typeの要素はCです。なお、学習初期においては、「要素」と「品詞」の関係について混乱することが多いので、改めて「COMPLETE」のp.47の上の表を参照してください。表の左側が「要素」で、右側が「品詞」です。
・ちなみに、名詞修飾語としてはたらく疑問詞は「疑問形容詞」です。この言葉については「COMPLETE」のp.73で扱いました。
・bloodもtypeを修飾するので、この9.のtypeは、前から2つの形容詞によって修飾されているということになります。この点、やや難しいのです。参考までに次の文を見てください。

He is a tall handsome man.(彼は背が高くハンサムな男だ)

形容詞tallと形容詞handsomeが、ともに名詞のmanを修飾しています。このように平叙文(この言葉については「COMPLETE」のp.53の下参照)においては、「名詞修飾語としてはたらく形容詞+名詞修飾語としてはたらく形容詞+名詞」という連なりは理解しやすいのですが、本文のように、最初の形容詞が疑問形容詞である場合は、少し読みにくくなります。「COMPLETE」にもこの例はないので、他の例も挙げましょう。

What other book did you read last month?(先月は他にどんな本を読んだの)

Whatとotherの両方が、名詞のbookを修飾しています。
なお、9.のbloodは、厳密に言えば形容詞ではなく、名詞です。名詞が形容詞的に、名詞修飾語としてはたらいているのです。これについては「COMPLETE」のp.48で扱いました。
・本文の直訳は「あなたは何の血液型ですか」です。

10.
・What’sはWhat isの縮約形です。
・第1文を平叙文に戻すと、次のようになります。

Your sign is X.(あなたの星座はXだ)

つまり本文のWhatはCとしてはたらくのです。
・MineはMy signと書き換えが可能です。同様にyoursはyour signと書き換えられます。

 

2|あいさつ②:うわさはいろいろ聞いています(テキストp.30)

11.
・現在完了の文です。hearは出来事動詞なので、「COMPLETE」のp.226の上図の左側の状況です。全文体は「あなたについてたくさんのことを聞いた。その結果、今、あなたに関していろいろなことを知っているという事態がある」という意味です。

12.
・型を整えた文で表現すれば、たとえば次のようになります。

I hope that those stories are about only good things.
(私は、それらの話<=あなたが耳にした話>が良いことに関するものばかりであることを願います)

・「省略」は「COMPLETE」のp.325~p.333で扱いましたが、会話では、そこで扱っていないような、かなり乱暴ともいえる省略が頻繁に起こりえます。話の筋を確実に追って、省略されている語句を正確に復元しながら理解しなくてはなりません。

13.
・what they say全体がdiscountのOで、what they sayの直訳は「彼らの言ったこと」です。whatに「もの・こと」という訳語があるということは「COMPLETE」のp.101で扱いました。

14.
・had betterは「COMPLETE」のp.242で扱いました。
・不可算名詞を数える場合は、次のようなパターンに分かれます。

(1) 器に入れて数える
[例] a cup of milk(カップ1杯の牛乳)

(2) 形としてとらえて数える ※固形物の場合はこれが可能になる。
[例] two sticks of cheese(2本のチーズ)

(3) 単位で数える 
[例] a litter of water(1リットルの水)

本文のa grain of saltは(2)のパターンです。「粒」という形でとらえています。
・さて、以上をふまえると、14.の直訳は「あなたは彼らの話を、一粒の塩とともに受け取ったほういい」となります。これがなぜ「和訳」のような意味になるかについては、次の記述を紹介します。『グランドセンチュリー英和辞典』(三省堂)からの引用です。

***********************************
take .. with a grain[pinch]of salt〔人の話など〕を割引いて[多少加減して]聞く:<由来>そのままうのみにはできないので塩ひとつまみ(ある条件)を加える
***********************************

16.
・命令文の否定文(「COMPLETE」のp.77の上にある表参照)です。命令文の否定文は「COMPLETE」のp.79の下に3例ありますが、16.がこれらと異なるのは、進行形の文だという点です。進行形なので、「私にお世辞を言っているという進行状態をストップさせてください」という意味であり、これをふまえて自然な訳にしたものが「和訳」です。

17.
・現在完了の文を真偽疑問文にしたものです。Sの前にhas/haveが出るのです。

18.
・sortはkindの意味です。このsortはdoのOです。Whatはsortを修飾する疑問形容詞です。Oとしてはたらく名詞を修飾する部分を尋ねる疑問文は「COMPLETE」で2例扱ってあります。次のものです。

What color does Bob like?(p.65)
Which university did you choose?(p.66)

colorはlike のOであり、universityはchooseのOです。What,Whichはcolor,universityを修飾します。
18.においては、Oとしてはたらく名詞が、後ろから前置詞句(of work)によっても修飾されています。この点において、上の2文よりも読みにくくなっています。
18.の類例を示しましょう。

Which part of London did you visit?(ロンドンのどちらの地域を訪れたのですか)

partがvisitのOですが、これをof Londonが修飾しているのです。

19.
・現在完了なので、「楽しい時間を過ごし、その結果、今とても満足している」というニュアンスがあります。

20.
・keep in touch withは、やや長い表現ですが、まとめておぼえてください。意味は「語句」欄を見てください。

 

3|あいさつ③:先日は、どうもありがとうございました(テキストp.32)

21.
・これも「SV」のペアが存在しない文です。thanks for ~で「~のことに感謝をしている」という意味の成句として記憶してください。

22.
・これは「COMPLETE」で扱っていないタイプの疑問詞疑問文です。「COMPLETE」のp.59~p.60で、Cを尋ねる疑問文を作りましたが、元の平叙文のCは、すべて名詞でした。ところが形容詞もまた、Cとなります(「COMPLETE」のp.47の表参照)。具体例を見ましょう。

She is fine.(彼女は元気だ)     

この文は第2文型で、Cが形容詞のfineです。
さて、このfineの部分を尋ねてみましょう。つまり「彼女の様子はどう?」「彼女はご機嫌いかが?」ということを尋ねたいのです。尋ねるための手順は次のようになります。

手順1  形容詞をhowに代える。   
手順2  howを文頭に移動させる。 
手順3  be動詞または助動詞をSの前に出す。

用いる疑問詞はhowです。Cが名詞である場合は、who,what,whichを用いましたが、Cが形容詞である場合はhowを用いるのです。
上の文にこの手順を当てはめると、次の文が完成します。

How is she?

このHowは、当然、Cとしてはたらきます。
他の例も見てみましょう。

How are you?(ごきげんいかがですか)           
How was your weekend?(週末はどうだった)        

22.もまさにこのパターンです。

23.
・「COMPLETE」のp.330で、副詞節の内部における「主語+be動詞」の省略を扱いましたが、SVが1つの文においても「主語+be動詞」が落ちることがあります。例を見ましょう。元の形と、文の意味を考えてみてください。

(1) About time to start.
(2) Glad to meet you.

元の形は次の通りです

It is about time to start.(そろそろ出発の時です)
I am glad to meet you.(あなたにお会いできてうれしいです)

時間に関することを述べる際に用いられるitとbe動詞は、実質的な意味はありません。いわば「形だけのSV」です。なくても意味は通じるのです。ゆえに省略されることがあります。(1)がその例です。
また、日本語ではいちいち「私が」と言わないことが多いように、英語でも「I」を述べなくても主体がわかることが多いものです。よって、Iが省略されることがあるのですが、省略される典型例は、直後がbe動詞である場合であり、「I+be動詞」のセットが省略されます。be動詞には具体的な意味がないことが多く、省略しても大きな意味が失われないのです。(2)がその例です。
23.も、文頭にI amが省略されています。
・as everの意味は「語句」欄を見てください。

24.
・so farの意味は「語句」欄を見てください。
・これも「主語+be動詞」が省略されている文です。元の文は、次のようなものだと考えることが可能です。

So far it is so good.

itには、漠然と状況、状態を表す用法があります(辞書参照)。このitは「状況のit」などと呼ばれることも多いものです。よって、上の文を無理に訳せば「今までのところ、状況はとても良いです」となります。

25.
・この文は、次のように復元できます。

It couldn't be better than now.

このItも「状況のit」です。よって、この文の直訳は「状況は今よりも良くなり得ない」となります。これ以上良くなりようがないということは、要するに「最高だ」ということです。
24.は「状況のit+be動詞」が省略された文でしたが、この25.のように、状況のitのみが省略されることもあるのです。
・than以下の省略は、「COMPLETE」のp.283で扱いました。文脈から明らかなので落ちるのです。
・この25.と正反対の意味をもつ文が30.です。ここで、この文も解説します。以下を見てください。

Couldn't be worse.

この文では、25.のbetterの部分が、正反対の意味の語であるworseとなっています。この文も、次のように復元できます。

It couldn't be worse than now.

「状況は今よりも悪くなり得ない」という意味であり、よってCouldn't be worse.は「最悪だ」という意味になります。

26.
・これについては、まずは29.のCould be better.から解説します。この文は、次のように復元できます。

It could be better than now.

やはりItとthan nowを補います。この文の直訳は「状況は今よりも良くなりうる」です。
理論上は、最高の場合を除いたすべての場合に、それ以上良くなりえます。その意味では、最高の状態を100%とすると、この文は、0から99.9%までの可能性があるのです。では何%なのでしょうか。
ここで、日本語で考えてみましょう。他人に「調子はどう?」と尋ねて「今よりもう少し良くなりうるんだけどなぁ」「もう少し良くなってもいいんだけどなぁ」などと言われたら、どのような状況だと判断するでしょうか。「あまり良くはないんだな」と考えはずです。よって29.の文は、「あまり良くない」ということになるのです。
・そしてこれの正反対が26.です。よって26.は、「そんなに悪くはない」という意味になるのです。

27.~28.
・これらも「状況のIt+is」が省略されていると考えられます。

 

4|お礼:褒めていただきまして、ありがとうございます(テキストp.34)

31.~32. 37.
・いずれも文頭にIが省略されていると考えられます。
・これらのforは理由を表します。
・32.の直訳は「あなたの時間のことで感謝します」です。「あなたの時間」とは、「あなたが自分のために割いてくれた時間」です。だからこそ「和訳」のようになるのです。

33.
・all the sameの意味は、「語句」欄を参照してください。

34.
・この文の型と意味を理解するには、「COMPLETE」のp.206で扱った次の文が、大きなヒントになります。

It's foolish of you to praise Tom.(トムをほめるなんて君は愚かだ)

Itは文末のtoV句を指します。
さて34.は、相手が何かをしてくれた後に述べる表現です。つまり「そんなふうにくれるなんて、あなたは親切だ」という意味なのです。文頭のThatは、相手がしてくれたことを指します。つまり「X be動詞 of 人」という表現は、上の文のように、Xが仮主語で、後ろに真主語がある場合もあれば、34.のように、Xが仮主語でない場合もあるのです。
・「そんなふうにくれるなんて、あなたは親切だ」ではぎこちないので、「和訳」のように訳します。

36.
・「どういたしまして」という意味の決まり文句として覚えてください。ここでも「主語+be動詞」が落ちえます。「語句」欄を参照してください。

38.
・これも「どういたしまして」の決まり文句です。「どういたしまして」は、他にYou are welcome.という表現もあるということが「語句」欄を見ればわかります。

39.
・「手段」を意味する名詞meansからは、「どうする手段?」「何をするための手段?」という疑問が生じるので、次のように同格のtoV句によって修飾されます(「同格のtoV句」を忘れていたら「COMPLETE」のp.171参照)。

I had no means to tell him the news.(私には彼にそのニュースを告げる手段がなかった)

さて、word(言葉)は、何かを伝える手段です。よってwordという語も、meansと同じように同格のtoV句によって修飾されうるのです。39.のto thank youはwordsを修飾します。したがってこの文の直訳は「私にはあなたに感謝をするための言葉がない」となります(「ための」という訳語については、「COMPLETE」のp.172で述べました。参照してください)。感謝の気持ちを表すためのふさわしい言葉が見つからないのです。それくらい恩義を感じているということです。ここから「和訳」に至ります。

40.
think nothing ofは「語句」欄を参照してください。

 

5| お詫び:それは、私の責任です(テキストp.36)

41.
・should’veはshould haveの縮約形です。
・「法助動詞+have+過去分詞形」は、「COMPLETE」のp.249の下にある表の通り、多様な意味を持ちますが、「②」の「過去へのズレ」を表す例である場合が多いといえます。41.もこの例です。shouldを用いた類例は「COMPLETE」のp.248にあります(その例では否定文です)。
・なお「法助動詞」という言葉について再確認したい場合は、「COMPLETE」のp.51の下部を再読してください。

44.
・このone’sはone is の縮約形です。文の直訳は「誰もあなたを責めていない」。

46.
・形容詞は感情を表すsorryで、後ろのtoV句がこれの原因を示します。「COMPLETE」のp.183に類例があります。
・to have kept you waitingは、完了形がtoV句になったものです。 kept you waitingは第5文型パターン④です。第5文型パターン④で、keepが用いられた例は「COMPLETE」のp.195で扱いました。
「COMPLETE」のp.189の上のリストのパターン④のところにkeepがあることも確認してください。
・46.の直訳は「私はあなたを待たせ続けたことを申し訳なく思います」。

48.
・初級者の頃は、quiteとquiet(静かな、無口の)を混同することが多いようです。quiteの意味は「語句」欄を参照してください。

49.
・「エクスキューズミー」(すみません、失礼します)は、半分日本語になっています。2語の成句として記憶してください。

50.
・形容詞sorryで始まる文は、23.の解説のところで扱いました。もちろん文頭にI amが省略されています。補いましょう。50.は次のようになります。

I am sorry for interrupting you.

sorry(申し訳なく思う)の理由は、「toV」で示されることもあれば、「for+名詞(または動名詞)」で示されることもあります。50.は後者の例です。

 

6|案内:お先にどうぞ(テキストp.38)

51.~52.
・いずれも決まり文句です。意味は「語句」欄を見てください。

54.~55.
・これらのwatchは「見る」というよりも「注意をする」「気をつける」です。

56.
・許可を求めるMay I ~は、「COMPLETE」のp.238の、一番上のワクの中で扱いました。

57.
・downの処理が難しい文です。この語については、次の2点に注意をしてください。

(1)  前置詞でもある
(2)  「下に」という意味のみならず、「離れる」「遠ざかる」という意味もある。

それぞれについて説明をします。まずは次の文を見てください。

He sat down.(彼は座った)
The ball went down.(そのボールは落ちていった)

これらのdownはいずれも副詞です。直前の動詞を修飾しますが、これらのdownは動詞修飾語であるというよりもむしろ、「sit down」というセットの一部、「go down」というセットの一部として考えることができます。私たちが頻繁に目にするdownはこのようなものです。
ところが、downには次のような用法もあります。

He went down the slope.(彼はその坂を下って行った)

この文のVは自動詞のgoです。その直後にdownがあり、その後ろに名詞がある以上、downは前置詞としか考えられません。このように「down+名詞」で用いられる、前置詞としてのdownもあるのです。類例を挙げます。

We sailed down the river.(私たちはその川を下った)

次に(2)ですが、downは「上・下」の「下」の意味だけでなく、「近い・遠い」の「遠い」の意味もあります。「離れていく」「進んでいく」のニュアンスで用いられるのです。次の文を見てください。

Go straight down this street.

副詞のstraightも、前置詞句のdown this streetも、Goを修飾します。この文は「まっすぐに、この道を行きなさい」という意味です。
・さて、57.のdownも前置詞であり、また、「離れていく」「進んでいく」の意味です。この文の構造を示します。

The rest room(S) is(V) down this hallway(動詞修飾語) around the corner(動詞修飾語).

isは「存在する」という意味のbe動詞です。downもaroundも前置詞なので、Vであるisの後ろに、これを修飾する前置詞句が2つあるという構造です。
この文の直訳は「トイレは、この廊下を進んだところに、角を曲がったところにあります」ですが、このままでは不自然なので、次のようにします。

トイレは、この廊下を進んで、角を曲がったところにあります。

「和訳」は、上の 「を進んで」を「の先の」としています。より自然な訳だといえます。

59.
・英語では「持って行く」「持っておく」などの意味の文においては、しばしばwith ~がともに用いられます。例を見ましょう。

Take this umbrella with you.(傘を持って行きなさい)

60.
・make yourself comfortableの部分は、第5文型パターン①です(第5文型の5つのパターンについては「COMPLETE」のp.188参照。パターン①についてはp.32~p.34参照)。「自分自身を快適にする」ということは「くつろぐ」ということです。

 

7|食事①:外で夕食でもいかがですか?(テキストp.40)

61.
・法助動詞wouldを用いた、やや成句的な表現として次のものを知ってください。

(1) S would like to V.(SはVしたい)
(2) S would like X.(SはXがほしい)  ※Xは名詞

それぞれの例を挙げます。

We would like to meet you.(私たちはあなたにお会いしたいです)
I would like juice.(ジュースが欲しい→ジュースください)

(2)は、店での注文の際などによく用いられます。
61.は、(1)が真偽疑問文になったものです。
・go out for dinnerは「夕食のために外出する→外で夕食をとる」です。

62.~63.
・62.は、63.のあとに解説したほうがわかりやすいので、まずは63.を扱います。
・「名詞+SV(このVは目的語が欠けている)」または「名詞+SV+前置詞(この前置詞は目的語が欠けている)」という構造がある場合は、「名詞」と「SV」の間に目的格の関係代名詞のthatが省略されています。これについては「COMPLETE」のp.328で扱いました。
・この63.においては、eatのO(目的語)が欠けていることがから、youの前にthatが省略されていることを見抜き、「you cannot eatの部分は、先頭のthatが省略された関係代名詞節だ」と見抜かなくてはなりません。
・ここで62.に戻ります。この文のyou'dはyou wouldの縮約形ですが、このyouの前にも目的格の関係代名詞のthatが省略されています。この文でもeatのOが欠けていることから、このように見抜きます。
ただ、この文においては、63.に比べて「you’d like to eatの部分は、先頭にthatが省略された関係代名詞節だ」ということが見抜きにくくなっています。なぜなら、先行詞であるanythingとyou’dの間にin particular(「とりわけ」「特に」)があるからです。関係代名詞節は先行詞から離れると、そのぶんだけ先行詞との関連がつかみにくくなります。
離れた例は「COMPLETE」では扱っていないので、ここで例を見ましょう。

Last night I met a teacher of English who lives in Saitama Prefecture.
(昨晩、私は埼玉県に住んでいる英語の先生に会った)

関係代名詞のwho節が、of Englishを飛び越えてteacherを修飾します。これは関係代名詞が省略されてないので読み易いのですが、62.は初級者にはやや難度が高いものです。

64.
・疑問詞疑問文です。drinkのOを尋ねています。Oを尋ねる疑問詞疑問文は「COMPLETE」のp.60~p.61で扱いました。

65.
・How about ~ingの意味は「語句」欄の通りです。疑問詞howを用いた成句です。
・beer以降が難所です。このtoV句は「COMPLETE」のp.165にある≪準動詞句の一覧表≫のどれでしょうか。少し考えてみてください。
・B-1の「主格のtoV句」です。これがどのようなものかを忘れていたら、まずは「COMPLETE」のp.172の中央からp.174の上までを読んで復習してください。
さて、その部分を読めばわかるように、主格のtoV句においては、toの前に「主格の関係代名詞+be動詞」を補うことができます。65.のbeer以降も補いましょう。次のようになります。

beer which is to be followed by wine

関係代名詞節の内側が受動態なので、少し読みにくいかもしれませんが、「助動詞be+to+be+Ved」という連なりは、「COMPLETE」のp.221で一例扱ってあります(The starではじまる文)。
followは「~の後に続く」という意味なので、上の表現は「ワインによって後に続かれる予定のビール」という意味で解釈できます。「ワインによって後に続かれる予定のビール」ということはつまり「その後のメニューがワインとなるビール」です。これは要するに「まずはビールを飲んで、次にワインを飲む」ということです。
・日本語では間違っても「ワインによって後に続かれる予定のビールでスタートするのはどうですか?」などと言わないので、この65.は非常に難しい文です。しかも文中のtoV句が、B-1のtoV句の4種類(「COMPLETE」のp.171の上のワク参照)のうち、最も頻度が低い「主格のtoV句」であり、加えて、その内側が受動態だという点でも難しいのです。

66.
・このwouldは「意志」です。直訳は「あなたは何をおすすめする意志がありますか」です。

67.
・61.の解説部分で見た(2)の表現(S would like X.〔Xがほしい〕)の、Xの部分がWhatとなり、疑問文になっている表現です。
・このasは前置詞で「~として」という意味です。likeを修飾します。よって文の直訳は「あなたは前菜として何が欲しいですか」となります。

68.
・このwillも「意志」です。文の直訳は「あなたはメインコースのために何を食べる意志がありますか」です。

69.
・このHow would you like ~?は、調理方法を尋ねる際の決まり文句対して覚えてしまってください。ステーキの焼き加減以外にも用いられます。例を見ましょう。

How would you like your egg?(卵はどのように料理しましょうか)
How would you like your fish?(魚はどのように料理しましょうか)

 

8|食事②:おかわりはどうですか?(テキストp.42)

71.  
・61.の解説部分で扱った(1)の表現(S would like to V.〔SはVしたい〕)が、真偽疑問文になったものです。
・second helpingは「語句」欄を参照してください。

72.
・現在完了なので、「十分食べた。その結果、今、満腹であるという事態がある」という意味になります。もし過去形を用いたI had enough.であれば、過去のことのみを述べているのであり、今はまた空腹になっているかもしれません。

73.
・このmore thanはひとまとまりで、enoughを修飾するものと考えてください。同様のmorethanは、「COMPLETE」のp.291で扱いました。          

74.
・この文はわかりにくいはずです。なぜ「和訳」のようになるかが理解しにくいのです。この文を通じて、まぎらわしい文型の特定の仕方と英和辞典の引き方を学びましょう。
さて、理解しにくい疑問文は、まずは平叙文に戻すと理解しやすくなります。戻しましょう。次のようになります。

I could get you something else.

elseは「他の」という意味で、後ろからsomethingを修飾します。これはあくまでも修飾語なので、この文は、Vの後ろに2つの名詞(youとsomething)が存在するという構造です。
・Vの後ろが「名詞 名詞」という並びである場合、文型は2つの可能性があります。「COMPLETE」のp.42を見てください。
つまり第4文型か、第5文型(パターン①)です。ではこの2つはどう異なるのでしょうか。
第4文型では、Vの後ろの2つの名詞がイコール関係にはありませんでした。「COMPLETE」のp.32の上で述べました。一方、第5文型パターン①では、イコールの関係にあります。「COMPLETE」のp.34の上で述べました。
さて、youとsomethingはもちろんイコールではありません。よって第4文型だということになります。
次に問題となるのがgetの意味です。getにはいろいろな意味がありますが、ここで次の事実を思い出しましょう

***********************************
英和辞典においては、動詞の訳は文型ごとに記載されている。
***********************************

「COMPLETE」のp.380で述べたことです。
よって、74.の文を理解するには英和辞典でgetを引き、「SVO1O2」という記号があるところの訳を見ればいいということになります。
すると、何種類かの訳がありますが、そのうちの一つに「<食事・飲み物など>を準備してやる、作ってやる」といったものがあります。
以上から、上の平叙文は「私はあなたに他の何かを準備してあげることができる」という意味だとわかります。これを真偽疑問文にしたものが74.なので、「私はあなたに他の何かを準備してあげることができますか」→「他にも何かお出ししましょうか」となります。このcouldは「申し出」です。「COMPLETE」では、Could I ~ ?ではなく、Can I ~ ?の例を見ました(p.237の下から2つ目のワクの中の1番目)。Couldを用いたほうが丁寧・控えめになります。

75.
・would be fineについては「語句」欄を参照してください。is fineよりも婉曲的な言い方です。

76.
・Thank you for ~は、31.~32.や37.で扱いました。

77.
・checkについては「語句」欄を参照してください。
・このCouldは「許可」です。「COMPLETE」のp.237の上から2番目のワクに次の2つがあります。

Can I go?
Could I go?

もちろんCouldのほうが丁寧な表現です。

78.
・be on meについては「語句」欄を参照してください。
・このonはdepend on ~(~に頼る)のonをイメージするとわかりやすくなります。勘定を誰かに任せる、というニュアンスです。

80.
・この文は「疑問文で否定文」です(「COMPLETE」のp.77の表参照)。
・「COMPLETE」のp.79で、Why don't you ~?を扱い、文字通りの意味から発展していくということを述べましたが、Why don't we ~?も同じです。この表現の、文字通りの意味は「なんで私たちは~しないのだろう」ですが、ここから「~しようよ」という意味に発展します。つまりLet's ~.に近い意味になるのです。

 

9|お酒:一杯、ごちそうしますよ(テキストp.44)

81.
・treatという動詞は、「SVO」の型で用いられて「~を扱う」という意味になることが多いのですが、「SVO+to+~(「~」は名詞)」の型で、「SがOに~をおごる、与える」という意味で用いられることもあります(辞書参照)。
・「語句」欄にある文のI'll buy you a drink.は第4文型です。buyは第4文型でも用いられるのです(辞書参照)。

82.
・propose a toast to ~については「語句」欄を参照してください。

83.
・Scotchは「語句」欄にある通り、スコッチのウィスキーであり、不可算名詞です。したがって、器に入れるなどの手段を用いて数えることが可能になります。shotはショットグラスです。2杯なので、-sを加えてshotsとなっていることを確認してください。もちろん一杯ならa shot of Scotchとなります。

87.
・まずは次の文を見てください。

He is young.(彼は若い)

これは客観的事実を述べています。次に以下の文を見てください。

He looks young.(彼は若く見える)

これは書き手(話し手)の主観を述べた文です。このlookは「見る」ではなく「見える」です。「COMPLETE」のp.43上のリストにあります。
さて、ここからは「COMPLETE」では扱っていない話になります。次の文を見てください。

He looks like a teacher.(彼は教師に見える)

「~に見える」の「~」の部分が名詞である場合は、上のようにlikeを置かなくてはならないのですが、この「S look like ~」という表現になると、「~」の部分に文を置くことも可能になります。例文を見ましょう。

He looks like he lives in this town.(彼はこの町に住んでいるようだ)

87.は、この文と同じ構造をもちます。

90.
・I'llはI willの縮約形です。このwillは意志を表します。

 

10|人体・病気・医療①:診察の予約をお願いします(テキストp.46)

91.
・まずは次の文を見てください。

Tom made a promise to help me.(トムは私を助けてくれる約束をした)

これは「COMPLETE」のp.171にある文です。「同格のtoV句」の例です。さてappointmentは「予約」であり、「予約」の「約」は「約束の約」です。そしてappointmentもpromiseと同様に、「同格のtoV句」によって修飾されます。91.のto see the doctorは「同格のtoV句」なのです。

92.
doctor's certificateについては「語句」欄を参照してください。

93.
・この現在完了は「経験」の意味です。否定文なので「未経験」です。文の直訳は「私は大きな病気には、これまでに何もかかったことがありません」です。
・なお現在完了において「経験」の意味は、あくまでもオプションだということを「COMPLETE」のp.226の上で述べました。

94.~95.
・一般動詞を用いた第2文型です。「COMPLETE」のp.43の上のリストに feelがあります。

96.
・be going toには、「予定」「意志」「推量」の3つの意味があります(「COMPLETE」のp.252参照)。この文のam going toは「推量」なので、文全体の直訳は「病気になりそうです」です。「和訳」はここからかなりの工夫をしています。

98.
・constipatedは形容詞だと考えてください。するとI am constipated.は「私は便秘だ」という意味の第2文型だということになります。「~である」という意味のbe動詞は状態動詞なので、この文の現在完了形である98.は、「継続」の意味になります。よってこの文は「ずっと便秘です」などと訳すこともできます。
・第2文型の文が現在完了形になったものは、「COMPLETE」のp.225で一例見ています。My son has been sickで始まる文です。

99.
・naggingは、動詞nagが元にある形容詞です。

 

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